[感想]ピース/樋口有介

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ピース
樋口 有介 著/中公文庫
お薦め度:★☆☆☆☆

埼玉県北西部の田舎町。元警察官のマスターと寡黙な青年が切り盛りするスナック「ラザロ」の周辺で、ひと月に二度もバラバラ殺人事件が発生した。被害者は歯科医とラザロの女性ピアニストだと判明するが、捜査は難航し、三人目の犠牲者が。県警ベテラン刑事は被害者の右手にある特徴を発見するが……。(文庫裏表紙より)


これからは書店POPに惑わされないようにしよう、と心に誓った作品

本好きの人ならば、一度は書店で目にしたことがあるのではないかと思うこの作品。

とにかく、どの本屋へ行っても、目立つ位置に平積みにされていて、しかも読み手の好奇心をあおる巧みなPOP。はじめのうちは手にとらなかったものの、あっちの本屋でもこっちの本屋でも見かけるものですから、結局買ってしまいました。

読んで、そして後悔。

正直、POPに騙されたと、そう思ってしまいました。

おそらくは本作のメイン仕掛けであろう表紙イラストとタイトルにこめられた意味にも途中で気づいてしまい、読んでも読んでもハッとするような驚きがなく。

登場人物たちは中途半端、回収しきれない伏線も多数、帯に書かれていた「意外な犯人、ラストのどんでん返し」にいたっては、逆にないほうが良かったのでは?とついつい思ってしまう有様で。

何かと苦境に立たされていると言われる出版社と書店ですが、読者をあざむくようなマーケティング戦略は、いくら利益のためとはいえ、何かむなしいものを感じます。

ちなみに、Amazon.co.jpの読者レビューは★2つ。書店POPよりAmazon.co.jpのほうがはるかに信憑性が高いというのは、本を巡る今後の行く末を暗示しているかのようで、何やら皮肉結果です。