[感想]真夜中の探偵/有栖川有栖

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真夜中の探偵 (特別書き下ろし)
有栖川 有栖 著/講談社
お薦め度:★☆☆☆☆

平世22年―すべての探偵行為が禁止された日本。空閑純は、17歳。両親ともに有名な探偵だが、母の朱鷺子は4年前から行方不明。父の誠は昨年、警察類似行為で逮捕され、収監されている。純は叔父の住む大阪で独り暮らしをはじめる。母の行方の手がかりを探すなか、父母に仕事を仲介していた押井照雅という人物と会える機会が訪れる。1週間後、押井の別宅で水に満たされた木箱に入った溺死体が発見された。被害者は元探偵で“金魚”と呼ばれていた男だった。容疑者リストに入った純は、自ら「水の棺」の謎を解くために調査をはじめる。純は探偵としての一歩を踏み出せるのか。(「BOOK」データベースより)


装丁はとっても素敵なのだけど、中身がそれに追いつかなかった!?

ものすご~くテンポのゆるい作品です。

もちろん、ゆったりまったりと進んで行くミステリがすべて良くないとは思っていません。けれどこの作品に関しては、事件に対する興味が途中で失せてしまって、もうどうでもいいような気になってしまうのです。

母親の失踪事件を追うのかと思いきや、物語の半分ほどすぎたところで唐突に殺人事件が発生。

主人公の空閑純(そらしずじゅん)がようやく「ソラ」と名乗ることになると思ったら、それは「座興」だとすぐに終わりを告げ。

謎解きの過程にも緊迫感がなく、何よりも純の母親失踪にまつわる謎が、本編にほとんど絡んで来ないのです。

ひとつひとつの出来事が、てんでんバラバラ好き勝手な方向を向いてしまっていて、まったくもって統一感がありません。

シリーズ第2作目ということで、続編も決定済みのようですが、いくらシリーズものといえども、もう少し何らかの繋がりが必要でしょう。

胸のすくような爽快感もカタルシスも何もなく、ただただ純と一緒に日本のパラレルワールドに放り込まれてしまったという閉塞感だけを感じた作品でした。