【感想】メビウスの守護者/川瀬七緒

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川瀬七緒さんの法医昆虫学捜査官シリーズの第4作目。

4作目って言うからには、全部で4作出ているのだけれども、私自身は2作目の「シンクロニシティ」しか読んでいなかったので、今作が実質2作目の作品ということになる。

メビウスの守護者 あらすじ

法医昆虫学捜査官シリーズの新刊!

ただそれだけの理由ですぐに手にした本書。なぜか3作目を読み逃している身でこんなことを言うのは説得力に欠けるかもしれないのだが、

このシリーズは面白い。

警視庁の岩楯裕也を主人公に、彼がかかわる難事件を法医昆虫学という新しい観点から解決へと導く赤堀涼子。

今回の事件は東京都とは名ばかりの、村人たちの結束かたい田舎町の仙谷村で起きたバラバラ殺人事件。仙谷村育ちで地元をこよなく愛する山岳救助隊員の牛久と岩楯はペアを組み、事件の真相を追う。

感想

法医昆虫学って言うくらいなので、今回も虫さんはてんこ盛りとなってご登場。

雨のように上から降り注いでくるウジや、屍肉食のハエなど、その描写はえげつない。おまけに今回はそこに腐乱したバラバラ死体が加わるという念の入れよう(?)と来たものだ。

けれど、グロい描写がまったくもってダメな私でも、なぜか七瀬さんのこの作品は読めてしまう。本当にもう想像しただけで「うぇっ」ってなるほどのウジたちの活躍っぷりなのだが、赤堀の明るいキャラクターのせいなのか、はたまたテンポの良い物語展開のせいなのか、嫌悪感というものはそれほど感じない。

狭い村の中での事件なので、容疑者に関してはさほど広がりを見せないが、しっかりとした文章力とたくみな物語展開、そして愛すべきキャラクターたちの活躍でもって、だれることなく物語は最後まで一気に進んで行く。

120点の破壊力こそないが、安心して読める80点の作品。極度の虫さん嫌いな方以外にオススメ。

お薦め度:★★★☆☆