【感想】シャーロック・ホームズの蒐集/北原尚彦

012306

原作のシャーロック・ホームズの舞台や世界観をそのまま持ち込んだパスティーシュ作品がこの北原尚彦さんの「シャーロック・ホームズの蒐集」。

パスティーシュはパスティーシュ、原作には及ばないでしょ。

と長年、何も知らずに勝手に思い込んでいたのだけれども、この作品を読んで完全にその考えが変わった。

とにかくすごい。

なんたって、あのホームズの新作が読めるのだ。

しかも、まわりくどい翻訳書独特のあの文体にわずらわされることもない。

 

内容そのものも安定感のある短編ばかりで、安心して読み進めることができる。裏をかえせば、あまりに正統派すぎてインパクトに欠けると言えないこともない。けれども、変に奇をてらうと、ホームズの良さがなくなってしまうだろうから、このあたりはバランスの問題なのだと思う。

そうしてこの作品は、そのバランスのとり方が絶妙。短編はあまり得意ではない自分だが、最初から最後まで楽しく読むことができた。

正統派のホームズパスティーシュを探している方にお薦め。

お薦め度:★★★★☆