【感想】丸太町ルヴォワール/円居挽

011101

円居挽と書いて「まどいばん」と読むらしい。最初はなんて読めばいいのかわからなくて、勝手に「えんきょ」さんと読んでいた。

そんな円居さんのデビュー作がこの「丸太町ルヴォワール」。

amazon.co.jpのカスタマーレビューで★3.9を獲得していて、なおかつKindleで冒頭を試し読みしたところ、なかなか面白そうだったので購入。

ざっくり言うと

祖父殺しの疑いをかけられた御曹司の城坂論語。その無実をはらすために、事件当日、祖父の屋敷には「ルージュ」と名乗る謎の女性がいたことを論語は主張するのだけれども、それを裏付ける証拠が何ひとつ残されていない。

京都で古くから行われて来たという私的裁判の「双龍会(そうりゅうえ)」で決着をつけることになるのだが、この「双龍会」がなかなかのくせ者。

私的裁判というだけあって、重視されのは真実そのものよりも、たくみな話術と論理的展開でもっていかに裁判長や聴衆を魅了するかということ。

論語の無実、そしてルージュの存在を示すために、あらゆる角度からの弁舌バトルが繰り広げられることになる。

たぶん若い人向けの作品

本作「丸太町ルヴォワール」に続いて、何作ものルヴォワールシリーズが出ていること。またカスタマーレビューでも賞賛を贈る人が多くいることから、決してつまらない作品ではないのだろうと思う。

けれど、自分には合わなかった。

肝心のキャラクターたちに感情移入することができず、さらには「双龍会」でのぶっ飛んだあまりにあまりな論理展開にもついて行くことができなかった。

つまるところ龍師の実力というのは、その場その場の状況に応じたいかに面白い理屈を紡げるかだ。

(注:「龍師」とは通常の裁判でいうところの検事と弁護士のようなもの)

と作品中にも書かれているくらいなので、ぶっ飛んだ話を

そう来たか!そりゃあ面白い!!

と素直に楽しめる人には、たぶん、おそらく、きっと、この作品にはキラッと光る部分がたくさんあるのだろう。

そうして、そんな感性を持っているのは、ラノベに親しんで来た若い人なのではないかと勝手に想像しているのだけれども、どんなものだろう。

バブル世代の自分は、物語の途中から「龍師」たちの掛け合いや、どんでん返しは、もうどうでも良くなってしまって、

で、結末は?

という気分になってしまった。

作品の善し悪し以前に、作品の相性って大切だよね、ってことなのだと思う。

お薦め度:★★☆☆☆