[感想]おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2/村上春樹

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おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2
村上 春樹 著/マガジンハウス
お薦め度:★★★★★

アンアン連載の人気エッセイ、村上春樹のテキストと大橋歩の銅版画がつくり出す居心地のいい時間。野菜の気持ち、アンガー・マネージメント、無考えなこびと、オキーフのパイナップル、あざらしのくちづけ、うなぎ屋の猫、決闘とサクランボ、ほか全52篇。(「BOOK」データベースより)


久々の春樹さんのエッセイ。肩の力を抜いてゆったりとどうぞ♪

近頃、ミステリーばかり読んでいます。純文学というか文芸作品というか、そういう心の内面と対話するタイプの作品について行けなくなってしまったのですね。

なので、大好きだった春樹さんも近頃は手にすることがありませんでした。でも、エッセイならひょっとして?

と淡い期待とともに手にした本書。

いやぁ、淡いどころか、期待以上の作品でした。ひとつひとつのエッセイを読んでいるとふんわりと心がほぐれていくかのようで、絶妙の「ゆるさ」を感じることができるのです。

こういう時間を極上の時間と言わずして、何と言えばいいのでしょう……なんてちょっと格好をつけて言ってみたくなるくらいの、素敵なエッセイばかりでした。

難しい言い回しなどはいっさいなく、日常のささやかな出来事が、それこそ知人に向かって語りかけているくらいの気さくな感覚で綴られているのですが、それでもそこは春樹さんですから、何ともいえない独特の味わいがあるのです。

自分でも書けるかも、と思うくらいのゆるさ、暖かさ、ほっこりさなのですが、もちろんわかっています。こんな風にかけるのは、春樹さんだからこそ(←あたりまえ)。

春樹さんと同時代にいられたことがうれしいなと、そんなことが素直に思えるエッセイでした。

ほっこりしたい人にお薦め♪