【感想】ルールを変える思考法/川上量生

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人はわかりそうでわからないものに惹かれる

川上量生さんの「ルールを変える思考法」をkindleにて読了。

「川上量生」って「かわかみのぶお」と読むのだと初めて知りました。読み方がわからないので、違うだろうなと思いつつも、ずっと「りょうせい」と脳内変換していました。

角川との合併で誕生した「KADOKAWA・DOWANGO」の代表取締役社長に就任したことで、一躍時の人となった感がある川上さんの2013年10月に出版された著書が本書「ルールを変える思考法」。

アイデア、発想力のすごい人というイメージがあったのですが、実際はどんな人なのだろうという好奇心もあって手にとった本です。

ボードゲームにはまった若かりし頃から、ニコニコ動画誕生の話、ニコニコ超会議の意義など、ドワンゴを中心とした話がちりばめられていて、ニコニコ動画の初期からのユーザーには、うんうんと頷きたくなりそうな話もいろいろとありました。

ですが、ね。

この本を読んでみても、川上量生という人があまり良くわかりません。

そりゃあ、1冊本を読んだだけで、その人のことがまるっとわかるとは思っていませんが、それでもたとえば、堀江貴文さんの本などを読んでいると、

なるほど、そういう考え方をしているのか。

物の見方が凡人とはひと味違うな。

などと、感心しつつ、堀江さんのすごさを改めて実感したりするものなんですが。

本書は読めども、読めども、川上さんのすごさがダイレクトに伝わって来ないのです。もちろん、大したことないという意味ではありません。凡人でない感はそこここに見え隠れするのですが、どうにもフワフワしているというか。

核心に迫ろうとしたところで、うまい具合にはぐらかされている、そんな印象なのです。

…………。

読み進め行くうちにわかりました。

独自性を保つ上では、明快で他者が追随しやすい差別化を行うよりも、何が差別化なのか、ちょっと考えただけでは理解できないものであり続けることが大切というのが僕の考えです。

から始まって、

人間が理解できるかできないかのギリギリのところにあり、なおかつ微妙に説明がつかないようなところから、ヒット作は生まれると思います。

と持論を展開し、

人間は「わかりそうでわからないことが気になって興味を持つ」という本能を進化の過程で獲得したんじゃないか、それがコンテンツに興味を持つ源泉じゃないかというのが僕の仮説なのです。

の部分を読んで、ようやっと納得がいったのです。

実は川上さん自身が「わかりそうでわからない」を地で行く人なのではなかろうか、いうことに。

だからこそ、本人は納得がいっていないようですが「おやじキラー」の異名も得るほどに、年配の人をはじめ多くの人から好かれているのではないかと、そんなところにまで思いが至るのです。

もちろん本人の性格、才能あってこその現在の川上さんなわけですが、私が川上さんの対談や著書、そしてその動向が気になって仕方のない理由の中に

「わかりそうでわからない」

を付け加えると、ストンときれいに着地の決まる感覚があります。

川上量生おそるべし、です。