【感想】冷たい密室と博士たち/森博嗣

071603

お薦め度:★★★☆☆

森博嗣さんの「冷たい密室と博士たち」を読みました。

前回読んだ「すべてがFになる」(⇒感想ここ)と同じく犀川助教授と学生の萌絵が活躍する「S&Mシリーズ」の2作目です。

S&Mシリーズ

そもそもがこのシリーズは、この「冷たい密室と博士たち」が第1作目としてかかれ、「すべてがFになる」はシリーズの第4作目として書かれた作品だったそうです。

編集者さんが、デビュー作はインパクトが強いほうが良かろうってことで「すべてがFになる」が、書かれた順番をすっとばして、シリーズ第1作目として出版されたという経緯があります。

なので、そりゃあ「すべてがFになる」のインパクにかなうはずはないよな、というのが当初から予想はされていたことなのですが。

普通、いたって普通

もう、本当に「すべてがFになる」ならぬ、「すべてが普通になる」と言ってもいいくらいの、普通さ加減です。

ある意味、安心して読める佳作ではあるのですが「すべてがFになる」のイメージを引っ張ってこの作品を読んでしまうと、やや肩すかしを食ったような感じになるかもしれません。

犀川と萌絵の師弟コンビも、今作ではあまり個性を発揮していませんでした。特にお嬢様育ちゆえの天然っぷりが魅力だったはずの萌絵が、なぜか普通の美人女子大生として描かれていますし、犀川先生も、美人の萌絵に振り回される普通の男性さながらで、天才的なものをほとんど感じることがありませんでした。

犯人の動機とか、密室の謎とか、それなりにねられてはいるのですが、なんか普通なんです。どこかで見たことあるような、ないような、そんな感じなのですよね。名探偵コナンあたりで出て来そうな、別に森博嗣さんの作品として読まなくても、別の作家さんの作品の中にも見付けられそうな、そんな感じ。

上手く言えないのですが。つまらないとか、期待はずれとか、そういうのではなくて、とことん普通なのです。

でも、きっと読み続けてしまうシリーズ

次から次へ、立て続けに読まずにはいられないような、そんな吸引力こそ感じませんでしたが、良くできたシリーズであることは間違いなさそうです。なので、今後もぽっつりぽっつり読んで行くことになりそうです。

シリーズ残りあと8作。当分楽しめそうです。