[感想]ジーヴズの事件簿―才智縦横の巻/P.G. ウッドハウス

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ジーヴズの事件簿―才智縦横の巻
P.G. ウッドハウス 著/文春文庫
お薦め度:★☆☆☆☆

20世紀初頭のロンドン。気はいいが少しおつむのゆるい金持ち青年バーティには、厄介事が盛りだくさん。親友ビンゴには浮かれた恋の片棒を担がされ、アガサ叔母は次々面倒な縁談を持ってくる。だがバーティには嫌みなほど優秀な執事がついていた。どんな難帯もそつなく解決する彼の名は、ジーヴズ。世界的ユーモア小説の傑作選。(文庫裏表紙より)


どうしてこんなに人気なのかしらん?

何やらたいそう人気のある作品のようで、本屋の平台にもどど~んと山積み。その勢いにおされて、本書「ジーヴズの事件簿―才智縦横の巻」と「ジーヴズの事件簿―大胆不敵の巻」の2冊をまとめ買いしてしまいました(後悔)。

執事の出て来るユーモアミステリ(?)ということで、まずはじめに思い浮かんだのが東川篤哉さんの「謎解きはディナーのあとで」(感想はここ)。

確かに優秀な執事と、ちょっとお間抜けな主人という設定は「謎解き……」と似ていないことはないのですが、実は本書「ジーヴズの事件簿」のほうは、まったく楽しむことができませんでした。

本作の肝心要であるはずのジーヴズに、どうしても好感を抱くことができなかったのです。確かに優秀なのでしょう。物事の先を見通す目も驚くべきものがあります。

ですが。

主人に対する尊敬の念がかけらもない。100歩ゆずってバーティを尊敬するのが無理だとしても、せめて愛情を持って接してあげることくらい出来るだろうに、と。

自分の思う通りに相手が動かないとあくまでも冷淡なジーヴズ。言葉だけは丁寧でも「取り付く島もない冷酷さ」でもって、バーティが何を言っても型どおりの返事しかよこさないとは、いやはや、とんだ食わせ物です。

ユーモアにも乗り切れず、さりとてジーヴズのキャラクターも好きになれず、どうしてこの作品がこんなにも人気があるのかさっぱりわからない。それが本当のところです。

もう1冊買ってしまった「ジーヴズの事件簿―大胆不敵の巻」。果たしていつか読む日が来るのかどうか……。