[感想]完全犯罪に猫は何匹必要か?/東川篤哉

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完全犯罪に猫は何匹必要か?
東川篤哉 著/光文社文庫
お薦め度:★★★★☆

『招き寿司』チェーン社長・豪徳寺豊蔵が破格の金額で探偵・鵜飼杜夫に愛猫の捜索を依頼した。その直後、豊蔵は自宅のビニールハウスで殺害されてしまう。なぜか現場には巨大招き猫がおかれていて!?そこでは十年前に迷宮入りした殺人事件もおきていた。事件の鍵を握るのは“猫”?本格推理とユーモアの妙味が、新しいミステリーの世界に、読者を招く。 (文庫裏表紙より)


ユーモアミステリと本格ミステリの見事な融合。しばらく追い続けたい作家発見!!

同じ作者によるベストセラー「謎解きはディナーのあとで 」が気になって気になって仕方がなかったのですが、なんせ相手は単行本。しかも東川篤哉という未知の作家。だったらまずは文庫本から……と思って手にとったのが本書「完全犯罪に猫は何匹必要か?」。

結論から言えば、良い意味で大きく期待を裏切られた作品でした。

ユーモアミステリというと、どうしてもユーモアのほうに主眼がおかれてしまって、肝心の謎解き部分が今ひとつといったものが多く、かといって本格ミステリとなると今度は、登場人物たちがただの駒のように動き回るだけで、感情移入がしにくくなってしまうものなんですが。

「完全犯罪……」にいたっては、そのふたつが上手い具合に混ざり合っているのです。キャラクターの個性も際だっていれば、謎解きも本格ばり。

登場人物たちのボケ具合も、ともするとくだらなくなってしまいそうなギリギリのところなんですが、非常にいいバランスで物語に軽快感を与えてくれています。

エピローグで登場した猫ちゃんたちのその後が描かれているのも好印象。爽やかな気持ちでページを閉じることができました。