[感想]13階段/高野和明

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13階段
高野 和明著/講談社文庫
お薦め度:★★★☆☆

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。(文庫裏表紙より)


「ジェノサイド(感想はここ)」の高野和明さんのデビュー作にして、第47回江戸川乱歩賞受賞作です。

死刑囚のえん罪をはらすために、といった設定からスタートする本書は、死刑制度についての問題をも提起する形になっています。

刑務官・南郷が過去に経験した死刑執行場面の描写は、ただならぬ臨場感にあふれ、それゆえに読んでいてうっすらと気分さえ悪くなったほどです。

けれども、その他の部分ではとりたてて印象に残るようなところもなく、主人公たちにうまく感情移入することもできませんでした。

作品中において、予期せぬ場面で登場人物たちの視点がころころと変わることがあり、そのため作品と自分との距離感を上手く保つことができなかったのです。

だったらつまらなかったのかと聞かれれば決してそんなことはなく。けれども、面白かったかと考えると、うーんそれもどうかな、といったところで★3つです。

ラストにもう少し爽快感があれば、★4つになったところだったのですが。残念。

法律は正しいのですか。本当に平等なのですか。地位のある人もない人も、頭のいい人も良くない人も、金のある人もない人も、悪い人間は犯した罪に見合うように、正しく裁かれているのですか。