[感想]ディズニーの魔法のおそうじ/安孫子薫

062801

掃除のモチベーションアップにはならないかも。すごすぎて

ディズニーランド創業時のオリエンタルランドに入社し、カストーディアル(清掃部門)部長をつとめた安孫子薫さんによる著書。

2011年11月に『「お客様の幸せ」のためにディズニーはまず「おそうじ」を考えた』に加筆・再編成して、手軽な新書版として発売されたのが本書である。


ディズニーの掃除本とくれば、オフィスや店舗をぴかぴかにするとこんなに業績が上がりますよ、あたりが着地点になるのかなといったぼんやりとした予想はあった。でもって、確かに最後の数ページにそういった記述はあるのだが、私が本書を手にとったのは、もちろん業績うんぬんを期待してではない。

毎日の「家の掃除」に少しでもやる気がでたら……という、身近で安直な発想からだ。

そうして、この期待は本書を読むことによって物の見事に裏切られた。

なにしろ、ディズニーの掃除の徹底ぶりと来た日にはもう、日々の家の掃除どころか、オフィスだって、店舗だって、ちょっとやそっとじゃ真似できないほどの高次元のレベルなのだ。

そもそもディズニーでは掃除を掃除と思っていない。すべては「ホスピタリティー(心のこもったおもてなし)」なのだ。

そうして、そのホスピタリティーたるや、なんと24時間ぶっ通し。

もちろん同じ人が24時間働くわけではないが(←当たり前だ!)それぞれにシフトが組んであって、深夜の掃除ではホースから高圧の水を出して路面を掃除するホージンクなる作業を毎日行っているのだという。

日中の清掃巡回はパーク内は15分に1回(!)、トイレは45分に1回というきめ細かさ。

その素晴らしさは、なるほど確かに天下のディズニーリゾートではあるけれど、もうちょっと庶民的な話を期待していたこちらとしては、くらくらと目眩すら憶えそうな徹底ぶりだ。

すべてはお客様のために。

うむ、素晴らしい。

だとすると、自分の場合は「すべては家族のために」と思って掃除をすればいいのか……。

ふむ。

ふむ……、ちょっと想像……。

ふむ、……無理だ。

ここにいったて私はようやく理解する。ディズニーリゾートは夢の世界なのだ。そしてわが家は現実の世界であったのだ、と。

Stage1 「おそうじ」という名の魔法

Stage2 ハピネスを生む「おそうじ」

Stage3 「おそうじ」を究める

Stage4 人を育て、売上げをのばす「おそうじ」