[感想]バカ学生に誰がした?/新井立夫・石渡嶺司

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進路指導の先生から見た大学進学の舞台裏

「バカ学生」予備軍をかかえる身としては、大いに気になる大学受験。

子太郎の話をきいていると、どうも自分の時代とは受験を取り巻く環境が変わっているらしいと薄々は感じていたのだが、本書を読んでそれが確信に変わった。


そもそもが、自分が高校生の頃に進路指導教員なるものが学校にいた記憶すらなかったりする。当時としても有名な放任主義の高校だったせいか、どこの大学を受けようとも生徒の自由。受かった大学名を担任の先生に報告するだけの、あっさりとしたものだった。

ところが、子太郎の高校と来たら、1年生の段階ですでに進路指導のガイダンスが開かれ、適正検査(?)のテストを受け、希望進路を書面で提出。い、今からこんなに?と思ったものだが、どうやら特別なことでもないらしい。

入試の種類もいろいろあって、共通一次試験なんて言ってた頃が懐かしかったりするのだが、本書を読めば、指定校推薦、公募推薦、AO入試の何たるかが、とりあえずは理解できる。これで子太郎の話についていける、はず、たぶん。

でもって。

高校生本人が読んでもこの本は多いに参考になるはず。

なかでも、指定校推薦のカラクリや専門学校の就職率の数字のマジックは必見。美味しい話には裏がある、を地で行くようなカラクリだ。

「推薦・AO入試は結局、大学の都合に振り回されるだけ。君らが楽をしようと思っても結局は損をするのだから、受験など考えないように」と生徒に説明しているらしい。

大卒の就職率は、文部科学省発表の学校基本調査によるもので、卒業者ベースで計算されている。この10年、70%を超えていない。一方、専門学校の就職率は就職希望者ベースで計算されている。これだと大学より高く出るのも当然である。同じ形式で計算するなら、大学だって90%を超えてくる。

親子で読めて二度おいしい本書「バカ学生に誰がした?」。受験をとりまく環境をざっくりと知りたい方にお薦め。