[感想]震える牛/相場英雄

052601

お薦め度:★★★☆☆

地道に証拠を積み重ねて行く刑事の執念

震える牛……、たしか話題作だったよなあ、ということで、書店で衝動的に購入。

2年前の居酒屋強盗殺人事件を追う継続捜査班の田川と、大手ショッピングセンターを運営するオックスマートの不正を暴こうとする記者の鶴田。ふたりを主人公にして、別々の視点から語られる物語は、やがて交差することに。


と言うわけで、この手の構成は、ふたつの視点から物語を語ることで、ストーリーそのものに厚みが出るというのがお約束なのだけど、なんだか本書に関しては、このふたつの視点がマイナスの要素に働いてしまったような気がして仕方がない。

田川が入手した証拠。鶴田が入手した証拠。このふたつを組み合わせると、かなり早い段階から事件の構図がぼんやりと見えてくるのだが、肝心の主人公たちは証拠を半分ずつしか持っていないものだから、事件の全容にさっぱり気づいてくれず。主人公たちが右往左往するたびに、ああ、そうじゃないのにとヤキモキするのは読者ばかりという、なんとも爽快感に欠ける展開なのだ。

社会派ミステリーとして読んでみても、これまた大手ショッピングセンターが地方にもたらす功罪と、殺人事件にまつわるもう一つの問題とのふたつが描かれていてるものだから、何とはなしに焦点がぼやけている印象。

なんというか。

読んでいる最中、いやいや、読み終えてからも、終始モヤモヤ感にさいなまれてしまって、これはこれで「モヤモヤしたなあ」という感想と言えば感想なのだけれども、はたしてそれでいいのかしらんと思わないでもない。

でもって、本書のタイトルからしてかなりのネタばれなのだけど、それでもミステリーだからここでネタばれするのもまずかろうと、ちょいとばかし気をつかって感想を書いたら、これまたぼんやりとした感想しか書けなくって、モヤモヤの上にさらモヤモヤが積み重なって……、ただいま頭の中、モヤモヤモヤモヤ状態が進行中。

は、はやく次の……、本を……、読も……う……っと……。