[感想]達人 山を下る/室積光

052001

お薦め度:★★☆☆☆

最強おじいちゃんがありえないほどの大活躍

手持ちの本がなくなってしまい、何かいい本はないかなあとkindle版を物色中に遭遇した本。

本当は同じ作者の「史上最強の内閣」が欲しかったのだが、なぜかこの本、文庫よりもkindle版のほうが高いというとんでもない価格設定だったので(←単行本を元にしたkindle版だったためと思われる)なんだか納得がいかず、ならば同じ作者でと選んだのが本書。


御年80歳になる山本俊之は、ひとり山にこもり昇月流柔術の鍛錬を行う毎日。孫娘の安奈がカルト教団に誘拐されたと聞き、42年ぶり!に山をおりて、安奈の妹・寛奈らとともに安奈の救出活動を開始する。

カルト教団にたどりつくために、渋谷の不良グループ、ヤクザと順にあたって行く山本なのだが、行く先々で繰り広げられる昇月流柔術の秘技は、ありえないほどの最強パワー。指1本をつかんだだけで、相手をその場に根転がし、目で動きを封じ、ツボをひとつきで相手の動きを完全にとめてしまう。失神のツボ突きにいたっては、お下品この上ない超絶技である。

カルト教団うんぬんの話は実在した事件をそのまま写し取ったかのようで、そのまんまじゃん!と軽く突っ込みをいれながら、物語を読み進める、進める、進める……。

寛奈の語りで進む物語は、ライトノベルもかくやと思うような軽さでもって、行間を読むなんてまどろっこしい作業も一切必要とせず、あれよあれよと言う間に終盤へと突入して行く。

終始軽い展開は、ラストにいたるまでぶれることなく同じ調子で、だからこそ一気に読めるのだけれども、読み終わった後に何も残らなかったりもする。

これを痛快と言うのか、はたまた単調と言うのか。

通勤電車で読むには最適の1冊。家で読むには……、うーん、どうだろう。