[感想]図書館戦争/有川浩

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お薦め度:★★★☆☆

良くできたライトノベル

岡田准一と榮倉奈々の主演で映画化された「図書館戦争」。

パパ太郎と子太郎が映画を観にいって、痛くお気に召して帰って来た。パパ太郎にいたっては、もう一度観に行くのだと息巻いている。相当に面白かったらしい。


ならば、と。

スピンオフを除くシリーズ4作をすべて読み終えている子太郎から今更ながら「図書館戦争」を借りて読み始めた。

「メディア良化法」なるものが施行されて30年を迎える西暦2019年。過度の検閲から本を守ろうとする図書館は、図書隊を組織して自衛を始めていた。

その図書隊のエリート部隊に配属された主人公の笠原郁と上官の堂上篤との淡い恋愛ムードを隠し味にしつつ……と思ったのだが、本書を読み進めれば進めるほど、実はこれって恋愛がメインだったりするのではないか、と思い始めた。

検閲機関のメディア良化委員会とそれに対抗する図書隊。

あらすじだけを聞いた時には、そこはかとない硬派な雰囲気を感じ、検閲問題に関して何らかの風刺があるのではないかと、そんなことまで思ったというのに。

ふたを開ければ、あらまぁ、びっくり。

メディア良化委員会と図書隊というのは、あくまでもこの物語の舞台、あるいは主人公たちを入れる器にすぎず、メインとなるのは笠井と堂上のラブコメと、彼らを取り巻くキャラクターたちの個性。

うーん、なんか想像とだいぶ違った。

でも、だからといって面白くなかったのかと言えば、そんなこともなく。

ラノベチックな小説と最初から思って読めば、これはこれで十分に楽しめる。ただ、ラノベが苦手な人には、やっぱりちょっと辛いのではないか、とも思う。

特に主人公の笠井郁の、良く言えば真っ直ぐな、悪く言えばがさつなその性格を受け入れることが出来るか出来ないかで、本書の評価は大きく分かれるはずだ。

私からしてみれば、上官に向かって「あんた」とか「チビ」とか言うのって、何があろうとあり得ない。それを許す組織も組織だし、そんな組織が危険を賭して本を守るってのも、何だか解せない。

ラノベだからあり……だとは、残念ながら思えなかった。

若くないからそう思うのだと、いいたい人はどうぞ言って下さいまし。いや、本当は言われたくはないけど。

ちなみに、子太郎はこの作品を大絶賛していて、あっという間に4巻を読み切って、あまりに面白すぎて、次に読みたい本が見つからなくなって困ったとまで言っていたっけな。

やっぱり若い子の感性は……(以下略)。