[感想]起業家/藤田晋

050601

サイバーエージェント社長の孤独な戦い

東証マザーズ上場以降から現在までの、サイバーエージェント社長藤田晋氏の焦り、不安、苛立ち、孤独などの、様々な感情が素直に描かれている本書は、下手な自己啓発書を読むよりも、はるかにやる気と勇気を与えてくれる。


だから。

サイバーエージェントの裏側をのぞき見ようと思って本書を読もうとするならば、それはちょっと違うのかもしれない。

もちろん、社長が書いた本だから、その内容は会社のことばかりではあるのだけれども、ここに描かれているのは、そんな表面的なことではない。企業トップとしての迷い、葛藤、そして圧倒的な孤独といった、もっと内面的なことなのだ。

人は良いことばかりを記憶の中にとどめがちだから、成功をおさめた社長の著書は、ともすると自慢話のオンパレードのようになってしまう。にもかかわらず、アメーバ事業の成功を手中におさめてなお、苦しかった日々のことをこれほどしっかりと語ることができるのは、社長業とは別の部分での一種の才能なのではないかと思う。

それにしも、人は、頑張れば出来る、などと簡単に言うけれど。

藤田社長のその努力のなんとすさまじいことか。生半可なことでは成功できないだろうことは想像できるが、それでもどれだけ頑張れば「頑張りました」と胸をはって言えるのだろうかと、そんなことまで考えてしまった。

まあ、自分のこれまで生きてきた人生の中での頑張りは「頑張りました」の「が」の字の域にも達していなかったのだなと、今さらながら理解した次第。

ちょっと遅すぎるか?

でも、自分のへなちょこ根性に、本書がほどよい刺激になったことは間違いない。

本当の理由は、幻冬舎の見城社長から聞いた言葉で気づかされました。
「全ての創造はたった一人の『熱狂』から始まる」
「新しいことを生み出すのは、一人の孤独な『熱狂』からである」