[感想]オカルトまゆつば論/中井和志

050201

巷にはびこる都市伝説を嘘を暴いた軽い読み口の本

タイトルから想像していたのとは、少しばかり……、いやだいぶ中身が違ったなぁ、というのが読み終えての正直な感想。

「人はなぜオカルトに魅せられるのか?」と読者へ問題提起をしているのだから、当然のことながら、その理由や考察が本書をとおして述べられているのだとばかり思っていたのだが、このことに関してはプロローグでわずかに触れられているにすぎない。

中身は、見開き1ページ構成で、どこかでかつて耳にしたことがあるような都市伝説やオカルトにふれ、そのことについては誰それが嘘だったと証言した、科学者が嘘をあばいた、実は自然現象だったといった具合に結果をさらりと述べるにとどまっている。

嘘を暴くというからには、そこに至るまでの過程や努力などが描かれていることも期待したのだが、どうやら筆者はそのような形よりも、辞書的な(?)パッと見てすぐわかる形を優先したようだ。

それはそれでありなのだとは思うのだけれども、読んでいていささか満足感に乏しいのもまた事実。

さらには、取り上げられているネタが、UFO、アポロ計画、エイリアン、ネッシー、ユリ・ゲラーなど新鮮味に乏しいものが多く、いまさらあれは嘘でしたと言われても、うん、そうだよね、くらいしか反応のしようがない。ドキドキしたり、えっ!とのけぞったり、今までまんまと騙されていたよ、と思うような驚きやワクワクがないのだ。

これは嘘、これは妄想、あれは思い込みで、こっちは自然現象……などなど、1つ1つの事象が淡々と切って捨てられて行く様を見ていると、なんだか手品の種明かしを目の前で見せつけられているような感覚になってきて、タネがあることはわかっていたけど、知らないほうが良かったな、という気分になって来る。

もう読んでしまったけど、読まないほうが良かったかな、といまさらながら思わないでもない微妙な1冊。