[感想]スピンク日記/町田康

4062168030

スピンク日記
町田 康 著/
お薦め度:★★☆☆☆

歌謡曲を熱唱し、犬を追って走り、ときに文学の鬼となる。犬の目から見た作家の“実像”―「日常」こそが文学だ。連載時より話題の傑作エッセイ、ついに刊行。(「BOOK」データベースより)


頑張るスピンクのほんわかエッセイ

実はふだんエッセイはあまり読みません。何気ない作家さんの日常をのぞき見ても、う~ん、となるだけで終わってしまうことが多いのです。結局のところ作家さんに興味があるわけではなくて、作品そのものに興味があるのだなと、単純なその事実に気がついて、次は長編作品でも読もうかしらん、となって、そうしてそのまま終わってしまうことがほとんどです。

そんな私が今回この「スピンク日記」を読もうと思い立ったのは、このエッセイが普通のエッセイではなく、町田康さんの飼い犬 プードルの視点から書かれたものだと知ったからです。

町田康さんのことを「主人・ポチ」と呼び、頼りない主人を自分が支えなければならないのだと頑張るスピンクが、日常のあれこれをのんびりと綴っています。

……そう、この作品もまた日常のあれこれを綴った、ある意味普通のエッセイでした。

犬視点ならではの独特の見方で、人間社会のおかしな部分でも風刺してくれるのかな、などと期待もしていたのですが、そういったこともなく。ならばスピンクの愛らしさが炸裂しているのかと言えば、まぁほどほどに、といった感じで。

あえて犬視点にしたはずなのに、その長所が生かしてきれていないような感じを受けたのです……なんて書いたら、町田康先生に大変恐れ多いのですが、普通のエッセイが苦手な自分には、ちょいと期待はずれだったのは事実です。

いや、私はエッセイが大好きなのだ、とか、犬さえ出てくればそれで大満足!という方には楽しい作品かもしれませんが、だからといってあえてお薦めはしないかな、といったところです。