[感想]10分あれば書店に行きなさい/齋藤孝

032701

読めば書店へ行きたくなる

齋藤孝先生の書店への、そして本への熱い思いがぎゅっと詰まった著書。

確かに、Amazon.co.jpで紙の書籍を買うことや、さらにはキンドルでクリックひとつで本のデータを手に入れることができるのは便利だけれども、先生が言うように「知的刺激」を受けるには、書店に勝るものはないだろう。


ただ、その書店が近場にない。

これはなかなか頭の痛い問題だ。よしっ、今日は本を買うぞ、と意気込んで街中まで出て行くことはあるけれど、ふらっと立ち寄る環境ではない。以前ひんぱんに利用していた町の本屋さんは、いつしか売場面積が半分になっていて、マンガと雑誌、そしてラノベメインの本屋さんへと姿を変えてしまった。

気になる本棚の定点観測だとか、新書コーナーのチェックだとか、文系の人はあえて理系コーナーに行ってみるとか、そういう話はなるほど確かにその通りで、そんなことが出来たらどんなに素敵だろうと思うのだけれども、悲しいかな、書店はいまやちょっとばかし遠い存在(物理的)になってしまった。

それゆえ本書を読むと、書店の素晴らしさを再認識できるものの、一抹の寂しさみたいなものも感じてしまう。

このことに関しては齋藤先生も十分に認識しているようで

今のままでは、読書人口は減り続け、したがって書店も減り続けるおそれがある。あと30年も経てば、現状の形態の書店は消滅し、一種の「文化遺産」として国営の書店がオープンしているかもしれない。

と言っている。

だからこその「1日10分の書店通い」で、書店や書籍を盛り上げ、強いては日本の文化的水準を引き上げようじゃないかという先生の意見は、本好きにはなかなか響くものがある。

ゆえに。

まずは自分のAmazon.co.jp至上主義を少し改めなくてはな、と思った次第。