[感想]蜂蜜秘密/小路幸也

030702

お薦め度:★★★☆☆

蜂と蜂蜜にまつわるファンタジー

「ポロウの蜂蜜」で有名な「ポロウ村」にやって来た少年レオ。どうやら彼には何か秘密の計画があるらしい。

一体彼は誰で、何の目的でもってこの村にやって来たのか。そして、彼がやって来て以降、村では不思議な出来事が次々と起こる。

読んでいる間中、レオの目的が気になる一方で、自然とともにあるポロウの村のどこか懐かしくて心地良い風景と、レオの友達となったサリーとジャックとのやりとりが楽しくて、どんどんと作品を読み進める。

読みながら、紅茶と蜂蜜が無性に恋しくなって来て、そこにクッキーでもあったら最高だな、などと本筋とは関係ないことまで考えてしまう。

のんびりと、ゆったりと、太陽の差し込む部屋の片隅で、時間を気にせず読みたい1冊だ。そういう意味では作品全体に漂う気配のようなものを楽しむ作品なのかもしれない。

なので、ストーリーそのものに過度の期待をするとちょっと肩すかしを食うかもしれない。少年たちが語り手となっていることもあって、小説というよりは童話。大人の作品というよりは、児童文学、そんな気がしないでもないのだ。

小路幸也さんが書いた作品だから……と思えばこそ、自分が読んでも大丈夫だろうと考えたのだけれども、もしもこれが無名の作家さんの作品だったら、ちょっと手が出なかったかもしれない。

い、いや、決して、私が純粋さを失っているから、ってことじゃないですよ、そこのところは誤解なきよう。念のため。

優しい時間に浸りたい方に。