[感想]ザ・万字固め/万城目学

030501

お薦め度:★★★☆☆

気軽に読めて、そして楽しいエッセイ集

お母さん、ずっとその本読んでるけど、そんなに面白いの?

と子太郎に言われて、そうか私はそんなに一生懸命になっていたのかと、ふいに気づく。集中して本を読んでいる時というのは、得てしてそんなものかもしれない。

読んでいたのは万城目学さんのエッセイ集「ザ・万字固め」。

あの不思議ワールドを描く万城目さんのエッセイとはどんなものなかしらん?と思っているのは自分だけではないだろうと思うのだけれども、ひと言で言うならば

やっぱり期待は裏切りません。

ってとこだろうか。

様々な話が詰め込まれているので、何かしら感じるところのある文章もあれば、何だか共感できないなあと思うものも、もちろんある。

それでも、所々に挟み込まれる軽い冗談にのせられるようにして、あっという間に読み終えてしまった。

ひょうたん作りにはまった万城目さんの姿は何だか微笑ましく、台湾でのサイン会の様子はなかなかに興味深かった。

東京電力の株主総会は、その考察の深さに舌を巻き、次から次へと出て来る食べ物の話には、どんだけ食いしん坊なんだ?と思わず突っ込みたくもなったりした。

でもでも。

一番に思ったことは。

週刊文春で連載中の「とっぴんぱらりの風太郎」が早く出版されないかなあ、ということ。万城目さんの手にかかったならば一体どんな時代小説に仕上がるのだろうかと、楽しみで仕方ない。

「ザ・万字固め」を読んで万城目さんが多作でない理由がわかったけれど、それでもやっぱり、もう少し作品を書いて欲しいなと、そう思わずにはいられないのだ。