[感想]池上彰の政治の学校/池上彰

021201

ほとんど毎日、政治に関する何らかのニュースがテレビから流れている。見るとはなしに、ぼんやりとそれらのニュースを目や耳にしているものだから、ともすると政治のことは大ざっぱには理解しているつもりになってしまう。

けれど本書「池上彰の政治の学校」を読むと、実は政治のことなんてほとんどわかっていなかったんだという事実に気づかされる。気づかされると同時に、池上さんがいつものようにわかりやすく解説してくれるから、ふむふむなるほどと、目から鱗をポロポロと落としながら読むことになる。


今まで自分が「知らない」ということすら知らずにいた事柄が、目の前で次々に披露されていくのは、真にもって心地が良い。知るっていうのはこんなにも素敵なことなのかと、まるで漢字を覚え始めた頃の小学生のような気分(←ちょっと大袈裟!?)でもって、次から次へと文字を追った。

しかも、テレビの選挙特番で、怖いもの知らずとも思える突っ込みをみせ「池上無双」とも呼ばれた池上さんは、書籍の中でも健在で、読んでいて胸のすく思いのする箇所がしばしば登場する。

たとえば、選挙特番の中で、私はある有名柔道選手に、「参議院議員に当選したら、どこの委員会に所属したいと思いますか」と質問しました。……中略……「ああ、この人は議員になった後のことは何も考えていないんだな。そしてそういう人が当選してしまうんだな」ということが視聴者にも伝わったと思います。

なんてこの言葉、普通の人には書けないと思う。「ある有名柔道選手」だなんて、ほとんど名指しと同じだし。

政治のプロの世界で常識になっていることを、素人の国民に向かって、「実はこんな仕組みになっているんです」と丁寧に説明する。そして視聴者のみなさんに、今の政治が直面する本質的な問題を考えてもらう。これが私の選挙特番でのスタンスでした。今回の本、『政治の学校』でも、同じスタンスを貫きたいと考えています。

と説明されれば、なるほどとは思うものの、やっぱり「池上無双」だよな、との思いは変わらない。というか、本書を読んでその思いを強くした。

だからこそ、読んでいるととても心地が良い。

知らなかったことを知り、マスコミが遠慮して言わないようなことをズバリと言う。堅苦しい政治の世界が、実は自分の身近にあって、もっともっと政治に参加していかなければいけないのだということを、肩肘張ることなくすんなりと理解できる……というか、理解できたような気になる。

池上彰さんがあちらこちらでもてはやされる理由がよくわかる。

また、ネットの利用時間が長い自分には、

ネットでの盛り上がりは、そのまま世論の盛り上がりではないということを把握しなくてはいけないということです。

ネット利用者が、自分がネットを利用して感じている感覚と世論調査がズレてくると、「マスメディアは偏向報道している」「世論調査も自分たちにとって都合のいいようにしているだけだろう」と言い出すことです。これはとても残念なことであり、不健全な考え方です。

の記述にもハッとさせられた。選挙でのネット解禁が取りざたされているようだけれども、ここの部分は心しなくては。

 

というわけで、池上さんの選挙特番に感心した人にお薦めの1冊。