[感想]交換殺人には向かない夜/東川篤哉

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交換殺人には向かない夜
東川 篤哉 著/光文社文庫
お薦め度:★★★★☆

不倫調査のため、使用人を装い山奥の邸に潜入した私立探偵・鵜飼杜夫。ガールフレンドに誘われ、彼女の友人の山荘を訪れた探偵の弟子・戸村流平。寂れた商店街で起こった女性の刺殺事件の捜査をおこなう刑事たち。無関係に見えた出来事の背後で、交換殺人は密やかに進行していた…。全編にちりばめられたギャグの裏に配された鮮やかな伏線。傑作本格推理。(文庫裏表紙より)


どうせ読むなら、寒い冬の日の夜に読みたいミステリ

烏賊川市シリーズ第4作目。

お屋敷での不倫調査をする鵜飼・朱美組。山荘の知人を訪ねた流平・さくら組。雪の日の殺人事件を追う砂川警部・志木組。今回もまたお馴染みの登場人物たちが、それぞれの出来事を、それぞれの視点で語っていきます。

けれど、彼らの出来事がひとつひとつ独立しているはずもなく、あるものには明らかな繋がりを感じ、あるものには何の繋がりもないように思えて、果たしてどこでどうすべての糸が繋がるのだろうかと、読者はそこはかとない違和感を覚えながらも物語を読み進めることになります。

この違和感の正体が、実はこの作品の大きな伏線であることは、物語の最後になってあっと驚く形で明らかになるのですが、それこそがミステリの醍醐味ですから、もちろんここでは書けません。

けれど、トリックの秀逸さと構成のたくみさにおいては、烏賊川市シリーズの中で一番だったということだけは、ここにはっきりと書いておきます。

寒い雪の日に読めば、なおいっそう臨場感を覚えること間違いなしの、相変わらず楽しい本格ユーモアミステリでした。

満足っ!