[感想]書物審問(ランキジシォン)/赤城毅

12120405

お薦め度:★★★☆☆

西洋史が苦手なので、旧ソビエトの歴史うんちくが楽しめなかったのが痛い

「書物狩人」シリーズ第6作目……なんだそうですが、前5作を知らないままに、いきなり本作から読み始めてしまいました。前作を知らなくても何ら困ることはありませんでしたが、順番に読んだほうが「書物狩人」という仕事の特異性をより深く理解することができ、また感想も違ったものになったのかな、と思わなくもありません。

今作「書物審問」は、ちょっとしたクローズドサークルもの。

書物城と呼ばれる人里はなれた屋敷に招待されたいわくありげな3人と書物狩人。城に到着した翌日には外部との唯一の接点である橋が爆破され、携帯電話もインターネットも繋がらない状況に。

そんな閉鎖空間の中で、次々と招待者たちが持参した稀覯本が破壊されていきます。いったい、誰が、何のために。

書物城という特殊な空間は、ややゴシックの趣もあり、なかなかにぞくぞくさせる舞台設定ではあったのですが、残念ながら犯行に密接にかかわって来る旧ソビエトの歴史がさっぱり……というか、西洋史が大の苦手な自分には、その部分の描写を読むのが苦痛になってしまい、本作を十分に堪能することが出来ませんでした。

それでも、書物狩人の人並みはずれた知識の豊富さは、読んでいるこちらまでもが、はふぅ、とため息をつきたくなるほどのもので、これだけの知識があったなら、世の中はいったい全体どんな風に見えることだろうと、わかりもしないくせに、あれこれと想像を巡らせてしまいました。

ただし、豊富な知識と、一見穏やかなその物腰ゆえか、読んでいる間中、書物狩人とドラマ「相棒」の右京さんのイメージがだぶってしまったのですが、自分の中の書物狩人のイメージ、果たしてこれでいいのかしらん?とやや不安に思ったことも付け加えておきます。