[感想]46番目の密室/有栖川有栖

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新装版 46番目の密室 (講談社文庫)
有栖川 有栖 著/講談社文庫
2009-08-12
お薦め度:★★☆☆☆

日本のディクスン・カーと称され、45に及ぶ密室トリックを発表してきた推理小説の大家、真壁聖一。クリスマス、北軽井沢にある彼の別荘に招待された客たちは、作家の無残な姿を目の当たりにする。彼は自らの46番目のトリックで殺されたのか―。有栖川作品の中核を成す傑作「火村シリーズ」第一作を新装化。(文庫裏表紙より)


火村シリーズ第一作。

1992年に講談社ノベルスから出版された「46番目の密室」は、1995年に文庫化され、そして2009年にふたたび「新装版」として、講談社文庫から刊行された作品です。

新装版のあとがきで有栖川さんは

文章の不備を少し直せばいい、はたきを掛ける程度だな、と思いながら新装版の校正にかかったら、汗だくで大掃除をする羽目になった。

と述べており、かなり気合いをいれて手直しをしたのだろうなと思うと、いくら何でも★2つは申し訳なさすぎる気がします。ごめんなさい。

でも、世間の高評価とは裏腹に、どうしても物語に乗り切れませんでした。

主人公の有栖川有栖とその友人火村はまだしも、その他の登場人物たちの、誰も彼もが個性が弱く、読んでいるうちに頭の中でこんがらがって来てしまい、そのたびに本の世界から現実世界へ引き戻されてしまうのです。もう少しキャラに個性があれば、あるいは、もう少し文章に味わいがあればなぁ、とつくづく残念でなりません。

また、物語の舞台がクリスマスの軽井沢。雪の降る夜……と来ていたので、てっきり大雪にみまわれて、招待客たち全員が別荘に閉じ込められるのだとばかり思っていたのですが(←こういうベタな設定、けっこう好きです)、密室なんですね、あくまでも密室。クローズドサークルだと勝手に思い込んでしまった自分が悪いのですが、期待値が少し高すぎたようです。

そんなこんなの★2つなんですが。

だったらもうこのシリーズは読まないかといえは、決してそんなことはなく。

癖になる何かが有栖川さんの作品にはあって、読み終えた直後はいつも個性がどうたらこうたら言っているくせに、少し時間がたつとまた有栖川作品に手を伸ばしている自分がきっと、いる、はず……という変な自信があったりもします。