[感想]ソロモンの偽証 第1部 事件/宮部みゆき

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ソロモンの偽証 第I部 事件
宮部 みゆき著/新潮社
2012-08-23
お薦め度:★★★★☆

クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。けど、噂は強力で、気がつけばあたしたちみんな、それに加担していた。そして、その悪意ある風評は、目撃者を名乗る、匿名の告発状を産み落とした―。新たな殺人計画。マスコミの過剰な報道。狂おしい嫉妬による異常行動。そして犠牲者が一人、また一人。学校は汚された。ことごとく無力な大人たちにはもう、任せておけない。学校に仕掛けられた史上最強のミステリー。(「BOOK」データベースより)


宮部みゆき久々の現代ミステリーは、期待にたがわぬ面白さ

デビュー当時から大好きだった宮部みゆきさんの作品の数々。

新作が発売されるたびに片っ端から読んで来ましたが、それでも最近の時代物やファンタジーにはどうしても馴染むことができず、ふと気づけば、新作と聞いても手が伸びない状態が続いていました。

が、今回は違います。

なんたって現代ミステリーです。それも読みごたえたっぷりの超長編。

あまりに期待が大きいとハードルが上がりすぎてしまって、ちょっとやそっとでは満足できないなんてこともあるものですが「ソロモンの偽証」にいたっては、そんな心配はまったく無用。普通だったら冗長になってしまいかねないストーリーも、宮部みゆきさんの手にかかれば、魅力的な物語に大変身です。

本作は、書き下ろしではなく2002年から2011年までの9年という長期ににわたって小説新潮に連載された作品をまとめたものです。2002年といえば今から10年前。にもかかわらず、いじめ、自殺(?)、学校の隠蔽体質、マスコミの過熱報道など、今まさに社会問題となっている事柄の数々が取り上げられており、宮部さんのその先見の明にはただただ驚くばかりです。

同級生の自殺と思われる出来事を発端に、それぞれの思いを抱え揺れ動く生徒たち。中学生といえば、まだ大人でもなく、かといって子供とも言い切れない微妙な年頃。そんな微妙な年頃の子供たちの心理を、これまた見事に描き出しています。あまりに見事なものですから、作品を読んでいる最中も、自分自身が中学生だった頃の記憶がふんわりと心の中に蘇って来たほどです。

同級生の死は自殺なのか、事故なのか、それとも何らかの犯罪なのか。

今後の展開に期待です!