[感想]猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち/大山淳子

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猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち
大山 淳子 著/講談社文庫
お薦め度:★★★★☆

お見合い30連敗。冴えない容貌。でも天才。婚活中の弁護士・百瀬太郎は猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考えている。そこに舞い込むさらなる難題。「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい」。笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー、堂々誕生!満場一致で第一位、TBS・講談社ドラマ原作大賞受賞作。(文庫裏表紙より)


猫だらけのほっこりミステリー

実は2作目の「猫弁と透明人間」を先に読んでしまい(⇒感想ここ)、そのあまりのほっこり具合に、これは1作目を読むしかあるまい、ってわけで手にした本作。

2作目の流れから行くと「世田谷猫屋敷事件」とやらが主軸かとばかり思っていたのですが、これに関しては1作目から昔話扱い。おっとそうだったのですか、とちょっと肩すかし。

また、肩すかしとはちょっと違うけれど、2作目を先に読んでしまうと、1作目の後半の、おーっと、そう来るのかっ!という驚きと感動もちぃいとばかり減ってしまいます。

どこから読んでも大丈夫なシリーズ物もありますが、猫弁に関しては、順番通りに読むことを強くお薦めいたします。

ですが、順番を間違ってしまった私からしても、1作目の猫弁は2作目同様、とっても素敵な作品でした。

主人公百瀬のさり気ない天才っぷりや、人を見かけや境遇で判断することのない優しい眼差し、猫に対するさらにさらに優しい思いやり。

つい最近実際に猫を飼ったばかりなものですから、あっちにも、こっちにも、そっちにも登場する猫たちにもメロメロです。

ミステリーとして読むには、謎解きが少し弱いようにも思えますが、このシリーズ、たぶんそういうのはあまり関係ないのです。

作品全体から、ほわほわと漂って来る優しさに心を泳がせ、時折鼻をぐずぐずさせつつ、「頑張れ、猫弁先生」と心の中で応援する。

私はそのようにして読みました。

お薦めです。