[感想]ロスト・トレイン/中村弦

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ロスト・トレイン
中村 弦 著/新潮文庫
お薦め度:★★☆☆☆

奥多摩の廃線跡を訪ねた牧村は、鉄道マニアの平間老人と出会い、世代を超えて酒を酌み交わす仲に。だが、「まぼろしの廃線跡」の話をしてほどなく、老人は消息を絶ってしまう。テツ仲間という菜月と共に行方を追うなか、浮上する「キリコノモリ」。その言葉を手がかりに東北へと向かう二人の前で、ある列車が動き出したとき、全ての謎が解けていくのだが―旅への郷愁を誘う青春小説。


青春ミステリというよりは、SFファンタジー

「じんわり切ない大人のための青春小説」との言葉を目にし、よしそれならば、ということで読み始めた本書。

けれどどうしたことか、最初から最後まで物語の登場人物たちに上手く感情移入することができませんでした。

そのせいか、読んでいる最中も自分が作品の中に引き込まれるような感覚がまったくなく、これはこういうことを言いたいんだな、ここはこういう意味だな、と頭で理解しながら読み進めるような感じに。

つまらなくはないのだけれども、これといっても面白くもなかった、といったところでしょうか。

自分の本当の居場所を求める物語にしては、登場人物たちの抱えているものの描写が弱すぎるし、ラブストリーとして読むには菜月の心の揺れが今ひとつ見えません。

文章からでなく、行間から何かをそこはかとなく感じ取ることができれば、また違った感想にもなったのでしょうが、どうも上手く行きませんでした。

主人公が鉄道・廃線マニアなので、そちら方面に興味のある方なら、あるいはもっと楽しむことができたのかもしれません。

そんなこんなの★2つで。