[感想]ナミヤ雑貨店の奇蹟/東野圭吾

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ナミヤ雑貨店の奇蹟
東野 圭吾 著/角川書店
お薦め度:★★☆☆☆

夢をとるか、愛をとるか。現実をとるか、理想をとるか。人情をとるか、道理をとるか。家族をとるか、将来をとるか。野望をとるか、幸せをとるか。あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は…。物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。(「BOOK」データベースより)


時を超えて交わされる悩みの詰まった往復書簡

上手く行きすぎの感があるファンタジー要素満載の展開。

それは私の大好きなタイプの作品のはず……だったのですが。

正直、この作品には愛着を感じることが出来ませんでした。世間的にもかなり評価の高い作品で―あの東野さんがミステリー以外の小説を書いてという意味での評価も多分に含まれているとは思いますが―ご都合主義のハッピーエンド大好きな私は、それはそれは期待をして読み始めました。

ですが。

違うのです。

何かが違うのです。

登場人物に感情移入できず、またストーリーそのものにも奥行きを感じることができませんでした。

文章がとても平易で、それこそが多くの読者をひきつけるポイントのひとつなのかもしれませんが、その東野さんの文章が、逆に私には想像の余地を奪ってしまっているように思えるのです。

『……略……、松任谷由実の「恋人がサンタクロース」を歌ってみた。昨年公開されてヒットした映画、「私をスキーに連れてって」の挿入歌だ。こういう場で歌うのは厳密にいえば著作権法違反なのだが、まさか通報されることもあるまい。』

大人気作家ゆえの社会的影響を考えて「著作権法違反」などという断り書きを入れたのかもしれませんが、読んでいる途中、この文章に出くわした時には、すうっと自分が小説の世界から現実へと引き戻されてしまうのを感じました。

世間の評価と自分の好みは、あったりあわなかったり、難しいものです。